街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー
結局智樹は騒ぐだけで着々と心優が計画を練り、
あっという間に、一週間は過ぎていった。
「えー、いよいよ明日から修学旅行だな。
明日は6時学校集合だからな!絶対に遅刻しないように。
特に七瀬!」
「うわ、俺~?
俺最近遅刻してないじゃん。」
「先生、大丈夫!
俺が絶対連れてくからさー!」
「そういう河合も俺は心配だよ。」
なんて、元気よく言う智樹に担任は心配そうにため息をついたけど
大丈夫。智樹は遠足や修学旅行の前はめちゃめちゃ早起きだから。
「それからお知らせがあるけど
この前お前らが授業で描いた絵、あるだろ?
その絵なんだが
仁科の絵が入賞して、展示されることになった。」
「え、まじ?心優の絵が?」
「駅前のデパートの最上階の展示場で1週間展示されてるから、見に行きたいやつは行ってこいよ~
以上、学級委員~」
「起立~」
まじ、か。
心優って絵も得意なんだな。
「……なぁ、なんの絵描いた?」
「だから目に見えたもの。
大したものじゃないから、わざわざ見に行くほどのものでもないよ。」
「えー、でも見に行きたくねー?」
「つっても俺今日バイトだから行けねーんだけどな。
じゃあ急ぐしまた明日な。」
俺はそういって、帰りのHRを終えてすぐに教室を出た。
明日から修学旅行。
なのにバイトなんて最悪だけど。