街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー
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「で、なんでここ?」
ついたのはまさかの聖凛前。
ここでナンパって。なんか怒られそうじゃん。
「聖女のことは聖女に聞くのが一番だろ!」
「は?え、まさか仁科のこと聞くわけ?」
「他になにがあるんだよ!
ずっとああなのかも気になるし、転校してきた理由とか!」
「……そういうの、勝手に調べるのはダメなんじゃねぇ?
しかも仁科のこと知ってるやつに声かけられるのかよ。」
「聖女の今年の2年は赤いリボンなんだと。
3年は緑、1年は青だって。」
…そんなことまで調べたのかよ。
ずいぶんと入れ込んでんじゃねーかよ。
「ついでに話しかけるなら可愛い子がいいよなー。」
「……帰るわ。」
「ちょ、待て!
こういうのはイケメンがいた方がいいんだよ!
俺一人でこんなことできるか!!」
「だからって巻き込むな!」
なんて男二人、女子高前でヤイヤイ騒いでいると
「あのー、待ち合わせですか?」
二人の可愛い女の子に話しかけられた。
普通に可愛い。これは完全に俺のタイプ。
「あ、いや待ち合わせじゃないんだけど…」
ということですかさず俺が返事をした。
さっきまで帰るとか言ってたくせに。
「あ、2年生?」
「え?あ、はい。そうですけど…」
これまた智樹からの情報なのに、赤いリボンをつけてたから勝手に横取り。
「あ、仁科心優って子、知らない?」
結局一言もしゃべらないし、智樹に代わって…ということにして俺がどんどん喋る。
ナンパなんかしたことないくせにな。慣れって怖い。
基本、女は好きなもので。
「あー…仁科さんなら学校辞めましたよ?」
「あ、うん、それは知ってるんだ。」
さん付け、か……
あんま仲良くないのか?