街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー



「ちなみに、君たちは仁科の友達なの?」


「……心優に友達はいません。」


「え?え、いない?
でも今友達が多いって…」


「多かった、です。
それはもう昔の話で、今の話ではありません。」


……なんだそれ。全く理解できない。
なんで?転校したからか?

それとも転校しなきゃならない理由がそうさせたのか?


「ごめんなさい、私たちもう行かなきゃなんです。
それと、ここでの待ち伏せや待ち合わせは控えてください。
私たちは委員会の見回り中なんです。
早く立ち去ってください。

失礼します。」


そういって、女の子二人は学校敷地内へと戻っていった。
……仕方なく、俺らも歩き出した。


「なんだかんだ言いながら、大翔も気になってたんじゃーん。
俺より色々聞いてたしー。」


「別に。ただあの礼儀知らずが昔は礼儀かあったとか、そこは気になったけど。
ならなんで今はあんなんなのか。」


仲良くなりたいとかなわけではない。
それでも、見てると無性に腹が立つ。

いつもすべてをシカトしていて、一人でいても平気そうなところとか、
……そのくせ、めっちゃ勉強できるところとか。


あの人を寄せ付けない雰囲気が、俺は大嫌いだ。


「でも、なにがあったんだろなー。
あんなこと、って。」


「そこは確かに気になるな。」


あの二人…学校に口止めされてるって感じだったし
…名門女子校の名に傷を付けるようなことでもしたのか?あいつ。

……あー!なんで俺がこんなこと気になんなきゃいけねーんだ!


「…帰るわ。」


とりあえず頭をスッキリさせたい。
モヤモヤから解放されたい。

帰って寝よう。そうしよう。


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