街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー
明日の声は聞こえますか?
━━━━そして、2週間後
「大翔これ運んで~!」
「はいはい。」
心優は正式に、日本へ帰ってきた。
もともと戻る予定でいたけど、マンションの鍵の受け取りの関係で新作お披露目会には間に合わなかっただけという間抜けな事態で往復するはめになったらしいけど
「大翔こっち組み立てて~!」
「今度はそっちかよ!!」
おかげで心優は俺の休みに合わせて引っ越ししてきて俺は朝からこき使われまくった。
朝8時から初めて部屋が完成した頃にはもう15時。
……くっそ疲れたわ。
「腹減ったー…」
「お疲れさま。ありがとね。
今からご飯作るね!」
「作れんのー?手伝おっかー?」
「もういい加減作れます!!」
ソファにうなだれる俺に檄を飛ばし、ここからでもよーく見える対面式キッチンに心優は立った。
……その若さでこのマンション。
なんなんだよ。金持ち健在かよ。
いったい家賃はいくらなんだよ。
ここはいったい何階建てなんだよ。
23階ってなんなんだよ。絶景かよ。くそ。
俺なんか高校時代から変わらず家賃5万のワンルームマンションだっつーのに!!