街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー



『好き』が絶頂な今、俺はまた心優にキスをする。
もはや我慢なんてものは出来ないし、しない。

ずっとできなかった愛情表現を、今解き放すかのように心優に甘えまくった。


「はは、また真っ赤。」


「ばかっ!」


そうやって心優に呆れられるけど、別にいいのさ。
心優を赤く染められるのは俺だけだから。

明日の心優が叫んでる。
明日の俺は幸せだって。いいことあるんだって。

だから明日の俺もどうか叫んでくれ。
明日の心優も幸せだって。
俺が幸せにしてやるって。


だから、ちゃんと聞いてろよ。



「うわー、なんか向こう暗くなってきたね。」


「そうだな。
でも明日もいい1日にするよ。俺が。」


どんより空でも、大雨でも。
心優の幸せは俺でありたいから。


「はは、そっか。
じゃああの雲の上はきっと赤く染まってるね。」



きっと俺らには見えなくても、また太陽が叫んでる。
明日はいいことあるよ、って。

そんな未来の声が今なら聞こえる気がするよ。

だから、そんな明日のために今日を精いっぱい生きてみるよ。



「とりあえず、今夜のベッドの上は赤く染まるかもな。」


「なにそれ、なんかサスペンスみたいで怖い。」


「……確かに。」






街が赤く染まる頃。 E N D

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