街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー



━━よし、終わり。帰るか。

あ、今日はもうでかけたくねーし、飲み物ここで買ってくかな。
自販機寄ってこ。


「お、七瀬終わったか。」


「うん。じゃーねー
また来週~。」


「さようなら、だろが。
気を付けて帰れよー。」


「先生もねー。」


で、俺は自販機に向かうんだけどな。


台風ねぇ。
9月10月は増える時期か。

去年確か裏の川が氾濫しそうなくらい水嵩が増えたんだよな。
他んとこより低いからすぐ浸水みたいになるし…今回は大丈夫だといいけど
まぁ家から出ないからいいけど。


……あれ?


自販機のところにつくと、そこにあるベンチにはまた仁科が座っていた。


「……早く帰れよ。」


そんなところで座って時間を潰すほど、今日は悠長なことしてられねーと思うのは俺だけ?

で、安定のシカト。
まじでなんなんだよ、こいつは。


「なんで帰んねーの?」


俺がそういっても外の景色を見たまま。
まぁ俺も気にせず飲み物を2本買ったけど。

もちろん自分用に。


「あ、もしかして傘忘れたとか?
だとしたらめちゃくちゃだせーんだけど」


と笑ったらすげー睨まれ…


「……え、まじで?」


「だとしても待っててもやまねーだろ。
これからどんどん強くなる。

むしろ早く帰らなきゃだろ。」


そしてそれも安定のシカト。
まじで腹立つやつだな。俺がここまで言ってやってんのに。


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