街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー


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「……Tシャツだけかよ。」


風呂から出ると、仁科はもう着替え終えていたけど、スカートはそのままでTシャツだけ着ていた。

なんつーか…俺そんなでかいほうじゃないんだけど女が俺の服を着るとこんだけでかくなるんだな。

スカートは短くてTシャツはでかくて…

どんだけ萌える格好してんだ!こいつは!
全然タイプじゃない綺麗な顔もかわいく見えてくるじゃねぇかよ。くそ。


……じゃなく、て…


「……飯は?」


「お弁当がある。」


「じゃあ食ってろよ。俺作ってるから。」


チャーハンでいいや。
面倒だし。


「あなた料理するの?」


「そりゃ自分で作らなきゃ飯はないからな。
金もないし。」


ここで一人暮らしを始めて、1年半がたとうとしている。
炊事掃除洗濯、なんでも人並みにできるようにもなった。
最初はまじで嫌にもなったけど、今じゃ慣れたもんだもんな。

冷蔵庫の中も昨日買っといたから超潤ってるし、飲み物もさっき学校で買ってきたし。

えーと、たまごとベーコンとキャベツでいいや。



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