街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー
聖女…ここらへんでは超有名なお嬢様学校。
幼稚園から大学までがエスカレーター式の、名門女子校。
かわいい女が多いと評判で、学園祭は招待状がなければ入ることができないとかで、プレミアがつくチケットだとか。
……ま、別に女に困ってるわけでもないし、あんまり興味もないけど。
「なーなーなー!
俺のとなりの席、今誰もいねーしその子が座んねーかな!
?」
そして俺の席の後ろに座るこいつ。
俺とは小学生の頃から一緒で、いわゆる腐れ縁っつーのか…
俺のことが大好き、河合智樹とはこいつのことを言う。
「さぁ?どうだろうな。
廊下側の一番後ろも空席じゃん。」
「あー!そうか!そっちもあったか!!
……いやでも俺は諦めない。」
そんな俺のこと大好き智樹は俺の後ろの席を陣取っている。
……くじで決まったはずなのにな。
窓際、一番後ろの超いい席をこいつは引き当てた。
「でも今日から新学期な訳だし、席替えするんじゃね?」
「あー、それはちゃんと聞いてきた。
11月の修学旅行の班で席替えするから、今はまだしないんだと。
10月までこの席だと。
だからどうか俺のとなりに!!」
いや、どんだけ拝んでんだよ。
それでその転校生がブスとかデブだったら超ウケるんだけど。
……面白そうだし、逆にそっちであってほしいわ。