街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー
「……あんたってさ、とことんめんどくさい性格してるのね。」
「は!?」
「…でも嫌いじゃない。」
「………え?」
「はい、これで終わり。疲れたー。
ったく、なんで私がこんなこと…」
「こんなことで疲れてんなよ、お嬢様。」
「そういうところが本当にうざい。」
「そりゃどうも。」
俺はそういって、今日の分以外の包まれた餃子を密封して冷蔵庫へと移した。
……嫌いじゃない、だってさ。
あいつか。
「…なぁ。」
「なに。」
「俺ら、友達になんねぇ?」
「・・・はぁ?」
あ、なんか本気で拒絶された。
ちょいショック。あの顔。
「あなたさ、私のこと嫌いなんでしょう?
よくそんなこと言えるわね。」
「そりゃ最初は絶対にこんなやつ無理だって思ってたね。
でも話してみたら普通の女だったし、こんなに楽なやつ、智樹以外で初めてなんだよね。
お前もそうじゃね?
なんにも気にせず、俺にはズバズバ言ってくんじゃん。
こういう友達もありだと思わねー?」
と、とりあえずまた用もねーのに俺は仁科の隣に座った。
「ちょ、こっち来ないでよ。」
「つーことで、月曜日からちゃんと智樹にも挨拶してやれよ。」
「は?どうして私が」
「俺の友達やるなら自動的に智樹の友達なんだよ。」
「私はあなたの友達になるなんて一言も言ってな「大翔。」
「……は?」
「俺の名前は大翔。
つーことで、よろしくな?心優さん?」
「……気安く名前で呼ばないで!」
おーい、そんな本気でうざがるなよー。
俺、意外と傷つきやすいんだからなー。