街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー
━━翌日
「おっはー」
「おう、はよ。」
俺は途中で会った智樹と一緒に、学校へ向かっていた。
「なぁ、絵ってもう描いた?」
「当たり前。宿題なんかにしたくねーし。
大翔は昨日寝てたから宿題だろ?最悪だな。」
「んとだよ。
こんなことなら寝るんじゃなかった」
いつもなら美術でそんなこと、ありえなかったのに。くそ。
あー、なに描こう。
「ま、頑張れよ。
大翔は元から赤点ギリなんだからな~」
「それな。」
「大翔はサボりすぎ。
もうすぐ進路も考えなきゃなのに」
「お前は真面目か!」
なんて、真面目そうでそこに意味はなんにもない会話をしながら、俺らは学校へ入った。
「あ、俺購買でパン予約してから行くし先いってて。」
「了解~」
あの日から毎日弁当を持参してる俺は智樹を置いて教室へ向かった。
この俺が。一人の女ごときで弁当持参って。
……まぁ、その方が安上がりだからいいんだけど。
「おっはー」
今日も賑やかなこの教室に足を踏み入れる。
いつも通り過ぎるそんな俺に、なぜかこのクラスはいつもよりも騒がしかった。
「なぁなぁなぁ!大翔!
お前知ってた!?」
「……なにが?」
男も女も、俺にめっちゃ注目してるし。
なんだ?この状況。
「仁科って、友達と男関係で揉めて、その友達を自殺においやったらしいよ!」
「……は?」
「やっぱ大翔知らなかった!?
そうだよね!知ってたら大翔、あんな女と付き合わないもんね!」
「美人だとは思ってたけどな~
まさかそんなことまでしてるとはな~」
……なんだ?このクラス。
みんなしてそんなことを噂してたのか?