街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー
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"ドンドン!"
うるさく叩かれるドアに、俺は目を覚ますと時間はまさかの12時半。
4時間目も終わり、昼休みになっていた。
「大翔、いないの?」
……心優?
「…ちょい待って」
床で寝てたせいもあり、机でうたた寝するより体が痛くて
重い体をやっと動かし、ドアの鍵を開けた。
「ん、なに?」
「ご飯、一緒に食べようかと思って。」
空き教室に入ってすぐドアを閉めた心優は、可愛くそういって、
そんな心優の手には俺の鞄もあった。
「ん、そうするか。」
寝起きってこともあり、全てがリセットされて俺の機嫌も上々。
「大翔、ずっと寝てたの?」
「あー、はは…まぁそう。
本当は一時間だけのつもりだったんだけどな。」
「昨日寝れなかったの?」
「そういうわけでもないけど、まぁ肉体労働だから疲れるんだよ。」
「そっか。大変だね。」
「まぁ生きてくためには仕方ないな~」
そんな話をしながら、俺らは弁当を広げていく。
自分で作った弁当ほど、楽しみじゃない弁当はないけど。
「今日はバイト?」
「そ。」
「そっか。」
はぁ…今日もバイトか。
仕方ねーけど。金ないと生きていけないし。
「……そういや、昨日の智樹にした相談ってなんだったわけ?」
「え、
んー…修学旅行のこととか。」
「嘘だな。」
なんなんだ、そのバレバレな嘘は。
「まぁ…なんでもいいじゃん。」
「智樹には言えて、彼氏の俺には言えないのか。
そうですか。」
俺がそういっても、心優は口を開こうとはしなかった。
「…まぁ、智樹は友達だしな。
俺なんて、肩書きだけの彼氏でよくわかんない関係だから仕方ねーか。
そんなもんだもんな。」