街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー
そんな話をしてると予鈴が鳴り、俺らはやっと教室に戻った。
「あれ、智樹いねぇ。」
ま、いいや。心優いるし。
「ねぇ、大翔。」
「ん?」
とりあえずバッグを横にかけ、俺は心優の席の隣に座った。
もちろん心優も自分の席に。
「私もいいのかな。
毎日楽しく過ごしちゃって。」
「あったりまえじゃん!
だって俺と大翔がついてんだから!
っていうか、今まで楽しくなかったわけ!?」
「智樹…どこから沸いてきたんだよ…」
心優の後ろから、いきなり智樹が出て来て
「トイレ行ってたんだよ!
つーか大翔、今まで寝てたわけ?」
そういってすぐに俺の後ろの自分の席に座った。
「まぁな。」
「ほんっとよく寝るよな。
ここはホテルじゃねーんだよ。わかってる?」
「そこまでばかじゃねーわ!!」
そんな、いつも通り過ぎる俺らを見て
「あはは」
心優は声を出して笑っていた。
「そんなバカな人が私の彼氏なんて嫌なんだけど。」
なんて、俺をバカにしたように笑っていた。
こんな心優が普通の女子高生で、なんだか俺も自然と笑ってしまった。
「だから、こんなイケメンな俺が彼氏で嬉しいだろ。」
「冗談やめて。」
「なんだよー
俺のことかっこいいって思ってたって言ってたじゃん?」
「そういうこと言わないで、静かにしてればねっ。」
「どうせうるせーわ!」
「お前ら俺を忘れてラブラブしてんな!!」