大っ嫌いな私
……嬉しいんだか、安心したんだか、よくわからない涙。

わんわん泣いている私に、西谷くんはあたまを掻き毟っていたけれど……。

「……泣き止め」
 
……右手が、あったかい。

俯いていた顔を上げてみたら、西谷くんは困った顔して、私の手を握ってくれてた。

「わ、私は、西谷くんが、ずっと好きで、」

「……うん」

「で、でも、いっつも、やなことしか、いえなくて、」

「……うん」

「ゴ、ゴメン、っていいたいのに、いえなくて、」

「……うん」

「だ、だから、私は、」

「うん。
わかったから」
 
ぽんぽん。
< 8 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop