5年3組パラダイス
『笑ったりなんかしない。ボク、うぬぼれだと思って、まさかと思って気にしないようにしてたけど・・・さ、お花に秘められた花言葉とか、もしかして、意識、して・・・た?』
その瞬間
目を閉じてた理絵ちゃんが、両目を見開いて、その瞳から、ぶわぁぁ・・・って、涙がいっぱい溢れ出てきて・・・。
「うん!・・・してたぁ・・・。」
『そっか、ゴメンネ、気づいてあげられなくて・・・。』
「私・・・、お花にメッセ託して、いっぱい話しかけてたよ。まさお君に。」
『うん、分かった。今、全部分ったよ。ボク、もう死んじゃっ・・・て心臓の痛みから逃れたハズなのに、ム、ムネが・・・痛いよ。理絵ちゃんの気持ち、分かったから・・・スゴク痛いよ。』
「まさおくん・・・、男の子なのに、花言葉なんて・・・知ってたんだ?」
『これもね、暇つぶしの丸暗記。』
「スゴイね。」
『初めて・・・将太君から届けられた理絵ちゃんからの花は、3年生の春の、ライラックの小枝を添えた百合の花。花言葉は・・・初恋の味、愛の芽生え、純潔をささげます。って、イキナリ告白されてたんだね。』
「恥ずかしいよ・・・。分かってもらえたなら、言わなくてもいい。」
理絵ちゃんが、そういったけど、聞こえなかったようにかつお君は話を続けた。
『それから、アイリス。“あなたを大切にしています”は、よく届けてくれたね。
それから、ボクが病院で検査をする、ちょっと不安な日の前日は、決まってガーベラを。花言葉は、辛抱強さとか我慢強さとか・・・。
それからノコギリソウの時もあった。“勇敢に戦え”と勇気付けるメッセージを託してくれてたんだ。
4年生の夏の初め、手術をすることになったボクに、青紫色のたつなみ草。ちょっと調べてみたら、私の命を捧げますっていう花言葉があると知ったけど、これもボクが勝手に花言葉にこだわっているだけだと思ってたから、たんなる偶然だと思ってた。
そして手術の当日は、淡い黄色の大待宵草(おおまつよいぐさ)や、ブローディアを送ってくれた。花言葉は“愛の祈り”とか“守護”という意味。ボクのために天に祈ってくれてたんだね。
その瞬間
目を閉じてた理絵ちゃんが、両目を見開いて、その瞳から、ぶわぁぁ・・・って、涙がいっぱい溢れ出てきて・・・。
「うん!・・・してたぁ・・・。」
『そっか、ゴメンネ、気づいてあげられなくて・・・。』
「私・・・、お花にメッセ託して、いっぱい話しかけてたよ。まさお君に。」
『うん、分かった。今、全部分ったよ。ボク、もう死んじゃっ・・・て心臓の痛みから逃れたハズなのに、ム、ムネが・・・痛いよ。理絵ちゃんの気持ち、分かったから・・・スゴク痛いよ。』
「まさおくん・・・、男の子なのに、花言葉なんて・・・知ってたんだ?」
『これもね、暇つぶしの丸暗記。』
「スゴイね。」
『初めて・・・将太君から届けられた理絵ちゃんからの花は、3年生の春の、ライラックの小枝を添えた百合の花。花言葉は・・・初恋の味、愛の芽生え、純潔をささげます。って、イキナリ告白されてたんだね。』
「恥ずかしいよ・・・。分かってもらえたなら、言わなくてもいい。」
理絵ちゃんが、そういったけど、聞こえなかったようにかつお君は話を続けた。
『それから、アイリス。“あなたを大切にしています”は、よく届けてくれたね。
それから、ボクが病院で検査をする、ちょっと不安な日の前日は、決まってガーベラを。花言葉は、辛抱強さとか我慢強さとか・・・。
それからノコギリソウの時もあった。“勇敢に戦え”と勇気付けるメッセージを託してくれてたんだ。
4年生の夏の初め、手術をすることになったボクに、青紫色のたつなみ草。ちょっと調べてみたら、私の命を捧げますっていう花言葉があると知ったけど、これもボクが勝手に花言葉にこだわっているだけだと思ってたから、たんなる偶然だと思ってた。
そして手術の当日は、淡い黄色の大待宵草(おおまつよいぐさ)や、ブローディアを送ってくれた。花言葉は“愛の祈り”とか“守護”という意味。ボクのために天に祈ってくれてたんだね。