5年3組パラダイス
海も広いけど、空はもっともっと広くて、ロマンチックで、かつお君も僕も、二人で星を見るのに凝りだしたんだ。

今、輝いて見える星は、何万光年も昔の光で、もしかしたら、今はもう、そこには無いかもしれなくて、そんな星を見て、僕たちは感動している。

なんかそれがすごく不思議でワクワクする。

人の人生は大宇宙に比べたらほんの短い一瞬の時間。だけど、地球上に生物が発生して、人間が歴史を作り出した頃から、僕らにとってはとても長い長い時間の中で、人間は星に星座の名前をつけて、それに意味をつけたりして、物語を作ったり、占いに用いたりしてきたけど、なぜか、その占いは不思議と当たったりしてて、それがまた不思議で・・・。

もう・・・、はまってます。

星を見ることで自分の運勢を占う方法を見つけ出した最初の人も、スゴイなぁーって思う。そして、それが生きるヒントとなり、星のくれるアドバイスで、人間は人生を正しながら生きている。だけど、今見てる星は、何億年も前にそこにあったもので・・・。

「という事は、星は何億年も昔から、僕たちの未来を知っていた事になるんだよ。かつお君。すごくない?」
『そうだね。だけど、ボクだって少し先の事くらいならわかるよ。だって、生きる者の本能じゃん。』
「えー、そうなの?僕には予知能力なんてないや。やっぱりかつお君はすごいね。それでいつも、テストが100点だったんだ。問題も先にわかれば、そこを勉強すればいいし・・・。」
『そんなんじゃないよ。テストは実力。』
「じゃぁ、どういう時にわかるの?先の事が。」
『たとえば、ほら、自分が死ぬ時とか・・・?』
「あ・・・」

そうだった。かつお君は自分が死ぬ直前に、もしもボクが死んだら、って僕に話してくれたんだった。でもそれって、なんか悲しい能力だな。自分の死期を知るなんて。

切ない。


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