5年3組パラダイス
「そんなの、イキナリじゃ思いつかなかったよ。」
『でも、結構、見えてる時間長かったじゃんさ。』
「かつお君は何かお願いしたの?」
『まぁね。』
「ずるーい、何お願いしたの?自分ばっかり。」
『内緒~♪』
「えぇ~、おしえてよー。」
『願い事は人に言っちゃいけないんだョ~ん♪』
「ちゃんと3回唱えたの?そんな咄嗟に唱えれるわけないよね、普通。」
『言えたよ、3回。』
「本当?絶対ありえない。嘘だぁ。」
『嘘なもんか!』
「じゃぁ、なんてお願いしたの?」
『しょうがないな、もう・・・、笑うなよ。』
「うん。」

『コリンちゃんと、ラブ・ラブ・ラブ☆』

「ずる! それって、インチキっぽくない?3回唱えた事になるの?」
『なるっ!絶対なる!ラブって3回も言えれば十分だよ!』
「そんなもんかぁ~?」
『将太君もラブ・ラブ・ラブって言ったら、初カノ出来たかもしれなかったのに、勿体無いねー。』
「さっきも言ったけどさ、僕には恋なんてまだ早いよ。」
『夢がないね、将太君は。恋は突然やってくるんだよ。誰かを好きになるって素敵な事だったんだなーって、ボク、初めて知ったよ。コリンちゃん、どうしてるかなぁ・・・』
「そういえば、あれ以来コリンちゃんに会いに行ってないね。明日行ってみようか?」
『えー、マジ?やったー!行こう行こう!』
「今日はベランダのプールで寝なよ。塩、たっぷり入れておいたから。」
『サンキュー!あ、でも、せっかくだからコリンちゃんにお土産を持って行ってあげたいし、海、帰るわ。送ってってくれる?』
「へー、お土産ね。じゃ、明日迎えに行く。」
< 29 / 122 >

この作品をシェア

pagetop