5年3組パラダイス
自然公園に向かってイーグル号を走らせている僕の背中で、かつお君が喜び全快にはしゃいで、ずっと“モー娘。”の歌を歌っていた。
『コリンちゃーん♪』
「コリンちゃん、僕だよ将太。かつお君もいるよー。」
なんとなくお馴染みになった、自然公園のコリンちゃんの巣のある木の下で、コリンちゃんを呼んでみた。
『いらっしゃい、カツオ君、将太君。』
巣の中からひょっこりコリンちゃんが顔を出す。コリンちゃんは、手に赤い実のようなものを抱えている。
めちゃ可愛い!
『あ、もしかして、お食事中だった?』
『ううん、そういうわけじゃないけど?』
『コリンちゃん、会いたかったよ。ボクね、コリンちゃんにお土産を持ってきたんだ。』
この間と同じセリフじゃない?かつお君・・・。それにお土産を持って来たのは僕なんだけどね。まあ、かつお君のカブを上げてあげられるなら、別に気にしないけど・・・。
『お土産?何かしら?』
お土産と聞いた瞬間に、コリンちゃんは目を輝かせた・・・。
この間もそうだったけど、コリンちゃん、もしかして、貢ぎ物に弱い?
なーんて思う僕って、ロマンがないのかなぁ?コリンちゃんがかつお君を好きになった理由ってのも、どうもその辺に鍵があるような気がした。最初に出会った日、クルミをあげたのは僕なのに、僕の事をを好きにならなかったのはなんでだろう?