5年3組パラダイス
さて、次の競技は、走り幅跳び。
かつお君は見学に徹する競技だった。

クラスのみんな、さっきのリレーで、足がガクガクで普段の力が発揮できない状況で、ホント、みんなショボイ距離しか飛べなくて、逆に思いもよらない子が飛べちゃったりして、普段では予想も出来ない結果となった。

次の二人三脚は、班の男女が2人1組になって、6人メンバー班は丁度良く、3組のチームになるけど、5人メンバーの班は班の代表が2回走らなければならない。そして、勿論僕が2回走ることになった。

1等を取るのは楽勝だったけど、さっきの一軒で、みんなが冷やかして、学&香織コンビを組ませちゃうから・・・。

ホント、二人の息はピッタシ!と行くわけが無く、一歩踏み出すたびにつまづくような、そして、その度にお互いを突っ込み合う陸上コントを見ている気分で、みんな大笑いだった。

そうしているうちに、米屋の雄二君のお父さんがお米10Kgを持って運動会会場に到着。

「あ、父さん、来た。こっちこっち。米、到着しないでどうしようかと思ったよ」
「クラス親睦運動会か・・・ホント、元気だなぁお前達は。今度米を粗末にしたら、仏さんから罰が当たるからな。気をつけろよ!」
「分かってるよ。」

おじさんは、僕に気づいてくれたようだったので、僕は軽く会釈をして挨拶をした。

「おっ。この間のぼうや。」
「こんにちは、おじさん。」
「こんにちは、なんだ、今日も魚持って歩いてるのか・・・?」

なんて突っ込まれて、何と応えれば良いのか戸惑う僕。

「父さん、いいから早く帰れよ。魚は今日の景品なんだ!」

と、雄二君がすかさずフォローしてくれた。

「お!!そういうことか!雄二、お前魚持って帰って来いよ。」
「分かったから、子供の世界に大人が首突っ込んでないで、早く帰れよ!」
「米運んでやった親をのけ者にしやがて、分かったよ。じゃあ、今日の晩御飯は魚料理の準備して待ってるからな!」

5班はリレーの時に米の袋が破れて、その後すぐに雄二君が携帯で電話をして、お父さんを呼びだしたという処置で、その後の演目もリタイアにならずにすんだのでした。


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