時の歌姫
あたしの足を止めたのは、初め小さな音だった。
音というか、車のエンジン音みたいな振動。
よくよく考えてみると、夕方の繁華街で、
ビルの屋上にまで届いてくるぐらいだから、近くにいたらハンパない音だったろうけど。
エンジン音は百倍ぐらい大きい衝撃音に一瞬にしてかき消された。
「ヤス兄!」
この後会う予定にしていた大事な人のことを思い出し、
あたしは屋上の金網から身を乗り出す。
すぐ下は広場になっていて、その一角で今日は能力者達の集いが行われていたはずだ。
そこに斜めになって突っ込んでいる青いトラックが目に入った。
音というか、車のエンジン音みたいな振動。
よくよく考えてみると、夕方の繁華街で、
ビルの屋上にまで届いてくるぐらいだから、近くにいたらハンパない音だったろうけど。
エンジン音は百倍ぐらい大きい衝撃音に一瞬にしてかき消された。
「ヤス兄!」
この後会う予定にしていた大事な人のことを思い出し、
あたしは屋上の金網から身を乗り出す。
すぐ下は広場になっていて、その一角で今日は能力者達の集いが行われていたはずだ。
そこに斜めになって突っ込んでいる青いトラックが目に入った。