甘いあまいイチゴの香り
お参りを終えて、先に鳥居で待っていた二人を見ると
手が離されていたけど、遠目にみてもお似合いで
もう、一緒にいたくないと思ってしまった。
翌日、三人は一馬くんの運転する車で東京へと帰っていったけど、
私は友達の家に遊びに行って、お見送りはしなかった。
もう、これ以上二人を見たくなかった。
おやつに食べたイチゴのタルトは甘いのにすっぱくて、切なくて悲しい、私の初恋のようだった。
それから三人は長い休みに一緒に帰ってきていたけど、私は友達と遊びに行ったりして、なるべく会わないようにした。
家に帰ると、毎回冬馬くんが作ってくれたイチゴのタルトが冷蔵庫に入っていて、
忘れられない思いに涙を流しながら食べた。
専門学校に行っていた二年間、今まで私の誕生日には両方の家族でお祝いしてくれたけど、
離れてからは、私の誕生日にプレゼントとケーキが届いた。
プレゼントは私の好きなキャラクターのノートやペンケース、ぬいぐるみやポーチたくさん詰めて送ってくれた。