甘いあまいイチゴの香り
冬馬くんがフランスに行ってから9年。
私は言われた通り勉強も部活も頑張った。
部活は吹奏楽部に入部してサックスを担当、中学高校と続けて大きな大会に出ては金賞や優勝をおさめた。
友達もたくさんできて、親友と呼べる存在にも出会えた。
文武両道を掲げた校風により、勉強にも力をいれて、
三人が通った高校に進学し、毎日充実した日々をおくっていたけど、
回りがみんな恋をして彼氏ができて、
恋ばなに花を咲かせていても、私はそれに入っていくことがてできなかった。
親友の恵里菜にだけは、冬馬くんとのことを話していたから、冬馬くんからエアメールが届くたびに嬉しくて恵里菜に話を聞いてもらっていた。
恵里菜は、私の長い長い叶わぬ片想いを、いつも真剣に聞いてくれて、いつかまた新しい恋ができるまでは、冬馬くんに恋をしててもいいんじゃない?と言ってくれた。
私が大事にしている思いを汲み取ってくれて、
すごくすごく嬉しかった。
恵里菜とは中学で出会ってから、大学まで同じところに進み、そして就職した先まで一緒。
私にとって、唯一無二の親友となった。