甘いあまいイチゴの香り


駆け寄りたい気持ちをグッと押さえて、出てくるのを今か今かと待っていると、こちらに気がついた冬馬くんが片手をあげて、私の大好きな優しい暖かな瞳の笑顔を浮かべた。




「さくらっっっ!!!!」


冬馬くんのテノールの声が私の名前を呼ぶだけで、心がこんなにも震える。

好きだ、大好きだって心が訴えてくる。



「冬馬くんおかえり!」


私の目の前までやってきた冬馬くんを見上げるように、私はとびきりの笑顔で迎えた。


「ただいま。さくら、しばらく見ない間に、すっかり綺麗になったね。」


「そんなことないよ。あまり変わってない……」


冬馬くんの優しくて大きな手が私の髪を優しく何度も撫でる。

その手が頬まで降りてきて、優しく包み込む


「いや、すごく綺麗になったよ。」


冬馬くんの目が甘くて、その瞳に捕らえられてクラクラしそう。



「迎えに来てくれてありがと。帰ろっか。」


「うん、夜はパーティだってママが張り切ってたよ。」

「そっか、みんなに会うのも久しぶりだから、楽しみだな。」


冬馬くんに手を引かれて、タクシーに乗り込むと自宅へと向かった。
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