甘いあまいイチゴの香り


リビングに入ると、おばさんがコーヒーを置いてくれて、一緒にアップルパイが並んでいた。

アップルパイの香ばしくて甘いいい臭いにお腹がなる。


「うわぁ!おいしそう!!いただきまーす

ん!!!おいしいっ!!!」


おじさんのアップルパイ、久しぶりだー


「さくらの喜ぶ顔が見れて嬉しいよ。おかわりもあるからな??」

おじさんが大きな瞳を細めて優しく笑う


「クスクス……さくら、そんなに慌てて食べなくてもケーキは逃げないよ?」

冬馬くんの手が私の口許に延びてきたと思うと、そっと撫でるように唇を触る。


「ほら、ついてる。」

冬馬くんが指をこちらに見せると、その指先にはカスタードがついていて、それを冬馬くんがそっと舐めてしまった。


ボンっ!と音がなるように顔が真っ赤になるのがいやでも分かる。


「ごめん、ありがと。。。」


冬馬くん、なんだかやらしいよ……


恥ずかしくて顔をあげられない。


「さくらは本当に可愛い。」


ぼそっと呟く冬馬くんの声は、恥ずかしくてあたふたしていた私の耳には届いてこなかった。



「さくらちゃん、これからはまたいつでも遊びに来てね?冬馬がいなくなってから、全然遊びに来ないから私たちも寂しかったのよ?」


おばさんが紅茶のおかわりを注ぎながら、ふんわりと笑う。


「うん、またたくさん遊びに来るよ!もうすぐ、引っ越しだけど、引っ越しても遊びに来る!!」

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