甘いあまいイチゴの香り
「今日はオムライス。早く帰って食べよ。」
二人並んで歩くと、背の高い冬馬くんはやっぱり足も長くて。でも、いつも私に歩幅を合わせてくれる。
優しくて、暖かくて、好きにならないほうがおかしいよ。
本当にかっこいい、、、
切れ長の二重の目はいつも優しくて、
鼻筋も通っていて、男の人なのに顔が小さくて。
188センチある身長に長い手足は、モデルみたい。
そんな冬馬くんのお店は、イケメンパティシエがいるとメディアにも出るようになった。
冬馬くんはやっぱりもてるんだろうな、、、
よくお店にケーキを買いに行ったりするけど、冬馬くん目当てのお客様もたくさんいるし、
若いアルバイトの可愛い子もいる。
働いている冬馬くんをずっと近くで見られることが羨ましい。
「ん?さくらどうした?」
「ううん、何でもないよ!」
私が冬馬くんの横顔をずっと見ていたからか、冬馬くんがキョトンとした顔をしていたけど、見惚れてたなんて言えるはずもなくて
真っ赤な顔を隠すように俯いて歩いた。
そんな私を冬馬くんが優しく見つめていたなんて、
私には気付けるはずもなくて……。
コンビニから家までの少しの距離すら、愛しい時間になった。