甘いあまいイチゴの香り
ドキドキする胸の音が冬馬くんに聞こえてしまいそうで、
また更にドキドキしてしまう。
「はいはい。ほんと、お前らは仲良いよな。
イチャイチャするなら、桜の家にいってからにしろよー」
「イチャイチャなんてっ…!」
「わかったよ。じゃあさくらいこっか。」
私の言葉にかぶせるように冬馬くんは言うと、私のてを握って引っ張るように立ち上がらせた。
えっ、本当に帰るの?
私が冬馬くんを見上げると、ん?と首をかしげてそのままリビングを出ていく。
「えっ、え?っ一馬くん、また明日っ!」
「おーー、おやすみーー!」
もう、リビングにいる一馬くんは見えないけど声だけが聞こえて、私たちはそのまま玄関を出た。
「はい、さくら鍵だして。」
手を差し出してくる冬馬くんに鞄から鍵を出しで渡すと、ガチャガチャと鍵を開けた。
玄関で靴を脱ぐと手を引いたままリビングに入っていく冬馬くんを、必然的に私も追いかけるようにリビングに入る。
「さくらお風呂入っておいで。……それとも一緒にはいる???」
「んなっ!一人ではいるっっ!!!」
「ははっ!!わかったわかった。ゆっくりしておいで。」
もうっ、またからかって!!!
そりゃ昔は一緒に入ってたけどさ、
もうあの頃とは違うのに、いつまでもこども扱いしてっ!
私はバタバタとお風呂の準備をすると、脱衣場へと駆け込んだ。