甘いあまいイチゴの香り
5
「ん……っん、いたたっ……」
あのまま泣き続けてそのまま寝てしまったのか、起きたら玄関に蹲ったままで、
そりゃ、痛いわけだよね。
はぁー。
服もシワシワ、化粧も落としてないし。
起き上がって怠い身体に鞭をうってバスルームへと向うと、鏡に写る自分に絶句する。
青白い顔に、ボロボロのメイク、泣きすぎて腫れた瞼。
「最悪。。。」
一気にコックを捻ってお湯を頭から被ると、メイク落としでメイクを落としていくと、幾分気分がスッキリした気がする。
念入りにトリートメントをして、腫れた瞼には冷したタオルで何度も冷やす。
そのお陰もあって、出勤する時間にはだいぶマシにはなったけど、身体の怠さは無くならない。
そりゃ、玄関で寝れば疲れも取れないよね。
朝御飯を食べる気にもなれずに、ミルクティーを飲んでから念入りにメイクをして、髪をハーフアップにすると、適当に服を着てから家を出た。
まだいつもより一時間も早い。
途中のカフェでお気に入りの抹茶ラテをテイクアウトしてからオフィスへと向かった。
いつも通りの朝。
変わったのは私の心の中だけで、何も変わらない。
こんなに辛い時は仕事に打ち込むのが一番。
少しでも気を抜けば、昨日の事を思い出して泣いてしまいそうになるから。