甘いあまいイチゴの香り
商品企画課に着くと、まだ少し早い時間な事もあって人はまばら。

荷物をデスクの下に入れて、台フキンを濡らしてから皆のデスクを拭いていく。

人によっては資料やファイルが置いてあるからなるべく触らないように拭いて、給湯室のポットにお湯を沸かす。コーヒーを淹れてから自分の分と先ほど給湯室に来る途中ですれ違った課長の分のコーヒーを入れて、デスクへと戻った。


「課長、おはようございます。コーヒーどうぞ。」 


「あぁ、ありがとう。いつも助かる。
そういえば小泉、あの企画どうなった。朝礼の後に進歩状況の報告してくれ。」


「わかりました。では後程。」


デスクにメールのチェックをしてから、なるはやで返信しないといけないものに返信をしてから、企画書を立ち上げる。
秋冬の向けて新しい下着の企画があり、今回入社4年目にして初めて私の企画が通った。

先輩たちの助言を受けて日々企画をねる毎日。


今回のコンセプトは『恋するランジェリー』

女の子はいくつになっても恋をするものだと思う。恋をすると綺麗になるとも言われるくらい、恋は女の子にとって大事なもので、その大好きな人に見てもらいたい、喜んでもらいたいそう思えるランジェリーを作りたい。


課長に見てもらうための企画書を、昨日のうちにしあげてはいたけど、ミスや漏れがないかをもう一度チェックしてからプリントアウトをする。

プリンターに企画書を取りに行くと、フロアーがざわざわとし始め、ふと入り口の方に目をやると課長に連れられて新入社員が3名入ってきた。
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