甘いあまいイチゴの香り
駅前の居酒屋に着くと、私たち以外の同期はもう既に揃っていて小上がりでパンプスを脱いで座敷に上がると、
恵里菜がこっちこっちと手招きしていた。
「遅くなってごめん!同期会なんて久しぶりで嬉しい。」
「それがさ、宮園が急に話したいことがあるからって、急遽開催することになったんだよね。」
それぞれに飲み物が配られる中、私は隣に座っている恵里菜と話し込んでいた。
「ええー、それでは役二ヶ月ぶりの同期会にかんぱーい!」
今日の主催者の宮園くんがビールのジョッキー掲げたのを合図に近くに座る同期たちとグラスを軽くぶつけて乾杯をすると、ぐいっとビールを体内に流し込む。
仕事の疲れと、昨夜のことで弱っていた体にアルコールが染み込んでいくのが気持ちいい。
「で?その目の腫れはなんなの。」
恵里菜が伺うように私を見つめる。その瞳が優しくて、労るようで、昨日あんなに泣いたのにまた涙が溢れそうになって思わずぎゅっと目を瞑った。
「冬馬くんとなにかあったの??」
背中に恵里菜の温かい手が添えられてポンポンと軽く叩かれる。
「恵里菜ありがとう、でもここでは話しにくいから、
また別の日に聞いてもらってもいい?」
「当たり前じゃん!明日は?土曜だし、ランチいこうよ」
「うん!明日、ランチの時に話すね、」
恵里菜は私の頭を撫でると、優しく微笑んでくれた。
「じゃあ、今日は飲もう!!!!!」
恵里菜がビールを一気に飲み干した。
「そうだね!飲もう!!!」