甘いあまいイチゴの香り

「ありゃー、苑田はそうゆうことね……」

「どうゆうこと???」


不思議に思って恵里菜に聞くも、私からは言えないよと取り合ってもらえなかった。


なんだったんだろ。

まぁ、気にしたところで分からないか。



そのあともみんなで話に盛り上っていると、宮園くんからお開きの声が上がり、二次会にいくメンバーはそれぞれ次の店に向かった。


「恵里菜は彼氏が迎えに来るんでしょ?
じゃあ、また明日ね!」


「桜、乗っていく?もう着くし。」

恵里菜の誘いに、カップルの邪魔はしたくないと遠慮していると、ポンと肩に手が置かれてその先を見上げる。


「俺が小泉送ってくよ。徒歩だろ?」

「うん、そうだけど……
近いから大丈夫だよ!苑田くん電車でしょ?」

「いや、遅いから危ないし送ってく。」


苑田くんの言葉にそれもそうだなと思って頷くと、嬉しそうな笑顔を浮かべるから、こちらも思わず笑顔を返してしまう。

「じゃあ、苑田、桜のことよろしくね。
桜、また帰ったらLINEするよ!おつかれさま!!」

ちょうど彼氏が迎えに来たのかハザードを出して停まった車に向かって駆け出していった。

「じゃ、俺らも帰りますか。」

そういって先を歩く苑田くんを追いかけた。
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