甘いあまいイチゴの香り
はぁーーーー。
隣からため息が聞こえて見上げると、冬馬くんが呆れたような表情で二人を見詰めてから珈琲のカップに手を伸ばした。
「じゃあお二人さん。あとは二人でこれからのこと話し合ってよ。もう夫婦になるんだし、喧嘩しても俺を巻き込まないで。危うく桜が俺から離れて行くところだっただろ!?」
「冬馬くん今までごめんね。桜もごめん。
妊娠したって分かって不安になっちやって。。」
菫ちゃんが照れたように苦笑いしながら、ソファーに腰かけた。
「二人とも、ごめんね。巻き込んで……。
あ、そう言えば桜、苑田からの告白はどうするわけ??
あいつ、営業じゃトップだしイケメンだし?
まぁ、普段冷たい印象はあるけど、女との線引きはちゃんとしてるし。
俺の妹の彼氏には申し分ない相手だよな~~。」
っちょっと!!!
何で今苑田くんの話をするかなっっ!!!
ニヤニヤしながら言う一馬くんを睨み付けるけど、
隣から痛いほどに感じる視線が怖くて振り向くことすらできない。
「さくら、苑田君って誰??
告白されたってどうゆうこと……??」
久しぶりに聞く冬馬くんの冷たくて低い声に思わずビクリと肩を竦める。