甘いあまいイチゴの香り
小さいときはたくさん抱っこしてもらったこともあった。
遊び疲れて眠ってしまって、部屋に連れてってもらうときにお姫様抱っこしてもらったこともある……
でもっ!!!
大人になってからは一度もないよ……
心臓の音がバクンバクン鳴って、顔も火がでるように熱くて真っ赤になってるのが分かる。
私を抱っこしたまま器用に寝室のドアを開けた冬馬くんはベッドまで無言で歩いたかと思うと、
急に私を放り投げた。
ボスんっとベッドが跳ね、私は思わずぎゅっと目をつむった。
ギシッとベッドの軋む音が聞こえたかと思うと、
冬馬くんが私に馬乗りになっているのが分かって
思わず目を見開いてしまう。
「と、っ冬馬くん?どうしたの???」
こんなに冷たい表情の冬馬くんは初めてで、
不安になって目に涙が浮かぶ。
「……どうしたの??
どうしたのじゃないでしょう。」
お、怒ってる!!!
怒ってるよーーーー。。。
ぐっと冬馬くんが私の両手をベッドに縫い付けるように押さえた。
「ねえ、桜。何で抱きしめられたの。
勝手に俺以外の男に触らせたらダメでしょ。
……で?告白は?
もちろん、断ったよね??」
冷たい表情で少しだけニコリと笑う冬馬くんが怖すぎて仕方がない。