君の本気に触れた時…
「私は何もしてないですよー。綾さんに変な誤解を与えないように嘘はついたもののちゃんと大丈夫だったか気になってたんで安心しました。それに、晩御飯の事も気にしないで下さい。あの後、中城君に会って…」


そこまで話して、ハッと気づいて先輩を見ると少しだけ意地悪そうな笑みを向けられていて


「彼と美味しい晩御飯食べたんだ?」

「美味しい…コンビニ弁当を一緒に食べましたから。」


隣の先輩は、なんだか嬉しそうに私の隣を歩きながら笑っていた。
「先輩…」

「ん?」

「先輩は今でも私の憧れの先輩です。だから…先輩の幸せな笑顔を見れるだけで私も嬉しいんです。」

「朝倉…ありがとう。朝倉も…俺にとっては可愛い後輩だから、これからも宜しくな。何かあったらいつでも力になるから。」


そう言ってくれた先輩は、今日も眩しすぎるくらい完璧な王子様だった。
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