君の本気に触れた時…
今のところ、社内で私と先輩のことが噂になっている様子はないけど。

誤解されたままなのは、あんまり気持ちのいいものではなかった。


「ねぇ…あの人、何を言いかけてたの?西沢先輩って言ってたよね?」

「うん…先輩と同じ営業部に配属された人らしいよ。この間の飲み会の帰りに先輩といる所で偶然に会ったからその時のことじゃないかな……。」

「ふーん、そうなんだ。」

「あ、ここだよ。ここ、既に混みかけてるね。」


目の前に見えた目的のカフェに入り、聡子と2人日当たりのいい窓際の席に案内をされた。


「ねぇ、それより聡子の方はどうなの?」

「え…」

「もう、とぼけちゃって…松本さんとだよ。」

「あぁ、彼ね…うーん、どうなんだろう。悪い人ではないし、一緒にいて楽しいけどまだイマイチ分からないんだよね。でも、一応今度2人で飲みに行く約束はしてるんだけどね。」

「なんだかんだ言いながら、進展してるんじゃん。」
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