君の本気に触れた時…
「理央さん、何食べますか?」


ハル君が私にも気を使って、メニューを見せてくれながら前かがみになり聞いてきた。


「うーん、何しよっかな?これとか美味しそうだよね。」

「じゃあ、それと…。」


彼が一通り食べ物の注文をし終えると


「中城君って、先輩って呼ばないんだね。理央さんって随分、親しげに呼ぶんだね。」


愛ちゃんが、中城君に向かって上目遣いを使って話しかけた。


「ああ、もともと昔から知ってるから。ねえ。理央さん。」


別に隠す必要はないんだけど、彼がそう言って私に話を振ると、愛ちゃんの可愛い上目遣いが私の目には怖い鬼の目に見えた。


「ええ?どういう知り合いなんですか?」

「え…と、地元が同じで…。」

「俺の家庭教師で、母親同士が親友で、同じバイト仲間で。とにかく知り合いなんだよ。」

「いいなぁ。私も中城君ともっと昔から知り合いたかった〜。」
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