君の本気に触れた時…
帰りは思った以上に酔ってしまった愛ちゃんのために、タクシーで帰ることにした。

愛ちゃんはきっと二人だけで帰りたかったんだろうな…。

私だってこんな空気になるのは分かっていたから出来れば一人で電車で帰りたかったけど、ハル君がそれをさせてくれなかった。

なんていうか…無言の圧力みたいなものを2人から感じていた私は、この中では一番先輩のはずなのになぜか一番弱い立場のようで居心地が悪かった。

後部座席に奥から、私、ハル君、愛ちゃんの順に座った。

酔った勢いなのか、なんなのか…彼女はより大胆になっていた。

彼の方に頭を寄せて、まるで恋人に甘えるようにぴったりと身を寄せていた。

……別に私には関係ないけどさ…


って…そんなの嘘。

めちゃくちゃ嫌な気持ちになってる私…。

彼に触らないでって思ってる。
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