君の本気に触れた時…
1人悶々と心の中に生まれたどす黒いドロドロした感情を抱えながら、窓の外に意識を向けた。

ここまできたら、自分の気持ちを認めた方が楽になれるのかもしれない。

彼はもうあの頃の中学1年生の彼ではないんだから…。

今はお互いに大人の男と女。

彼を好きだと言っても…誰にも何も言われる事はないはず。


「西野…もう着くぞ。そろそろ起きろよ。」

「うーん…中城くぅん」


密着したすぐ左隣から、愛ちゃんを起こす彼の声と、甘える彼女の声が聞こえて耳を塞ぎたくなった。

彼の気持ちは聞いて分かっているはずなのに、彼に甘える愛ちゃんの声はやっぱり聞きたくなかった。

私って、やっぱり心が狭いんだろうか…

いつからこんなに嫉妬深い女になったんだろう。



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