君の本気に触れた時…
廊下の向こうの部屋から聞こえてくるのはテレビに映る芸人たちの楽しそうな笑い声。

ソファに座る彼女の後頭部だけが最初に視界に見えて、夢じゃなかったとホッとした。

彼女の隣に座る前に、キッチンの冷蔵庫からコーラのペットボトルを取り出した。

蓋を開けると、プシューと炭酸が抜けた音がする。

コーラの強い炭酸が、喉に刺激を与え3口ほど一気に流し込んだ後、彼女の座るソファに向かった。


こうなる事を恐れて、これでも急いで出てきたつもりだったのに…


彼女のすぐ隣に座って、ソファのシートが沈んだ拍子に彼女の頭がコテンッと俺の肩に乗るように倒れてきた。

そう…

彼女は、俺を待っているその数分の間に眠ってしまっていた。


< 224 / 235 >

この作品をシェア

pagetop