君の本気に触れた時…
突然言われた言葉に一瞬だけ思考が止まりかけたけど、今言われた彼の言葉をもう一度頭の中で繰り返した。

真剣な彼の瞳と目が合って今の言葉がプロポーズなのだと確信した私は、彼の目をまっすぐに見つめ返して


「はい。」


はっきりと彼に聞こえるように笑顔で答えた。

そして彼の手にあるガラスの靴を受け取った。


「ありがとう…理央」


彼は私の手からもう一度ガラスの靴を受け取るとそれをテーブルの上にそっと置いた。

そして、その中から何かを取り出すと、私の左手をそっと取り薬指にそのある物をスルスルとはめていく。

左手の薬指に感じる冷たい感触のその指輪に目線を落とすと、自分の指にはめられたばかりの指輪が目に映った。


「ハル君、ありがとう。私、とても幸せ…」


そう言った瞬間、大きなドンッという音と共に夜空に綺麗な大輪の花が咲いた。


「あっ、花火…」
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