君の本気に触れた時…
「はぁ…疲れた〜。」

「お疲れさん。でも今回の倉チェはいつもより時間かかってたね。結構あったの?」


同期で同じ課に所属している近藤 聡子(さとこ)と社食でランチを食べながら、思わず大きなため息が漏れた。

倉チェとは、倉庫の在庫チェックの事で今日の午前中に私と中城君の2人でやっていたあの仕事の事。


「うーん、今回はそんなになかったんだけど…。」


本当の事なんて言えるわけない…。

言ったら面白がるに決まってんだから。


「あら、そうなの?じゃあ、イケメン新入社員と地下で2人で何してたのかなぁ?」


ホラ、もう半分面白がってるし。


「地下で2人で仕事だよ、し・ご・と!今日は数の確認だけじゃなくて、どんな商品があるかも説明しながらだったから時間がかかったの。」

「ふーん。でもいいなぁ理央は。教育担当があの中城君なんだもん。私も彼を教育したぁい。」


聡子が顔をウットリさせながらそう言った。

どこがいいんだか…。

いくらイケメンでも4コも年下だとカッコイイより弟みたいにしか思えない。

やっぱり男は包容力のある年上に限る。
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