甘い秘密と苦いウソ


「ふーん」


なに!?その反応は!



わたしが答えたのにまだ不服そうにしている久我くん。


「あの、まだなにか?」


「いや。なんか、腑に落ちないんだよね」



怖い、怖い、怖い!


背中に冷や汗がツーっと、落ちる感じがした。


「わたしはなにも、嘘は言ってませんが?」



「嘘はついてなくても、そのある人って誰?」



またしても、直球!


「ある人はある人じゃないですか」


「鈴原サンはボッチでこの学校には友だちはいない。しかし、ある人はなぜかここの鍵を持っていた。ね、おかしくない?」




あぁ……



どうしよう……



蛇に睨まれた蛙とはこのことか。


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