甘い秘密と苦いウソ
 「でも、ダメなものはダメなんです!」


 「今日は入り口解放されてたけど?」


 「それは…鍵をかけ忘れていたからでして」


 本当に今日の放課後はいろいろついていないなと改めて思う。


 あの時、教室で久我君や高田さんたちがいなかったら…わたしがちゃんとカギをかけていたら…



 そうしていたら、実は性格の悪い意地悪な久我君と接点を持つことさえなかったのに。


 今となっては後の祭りかな



 「どうしても心を癒せる場所がほしいんだ。ね、鈴原さんお願い」



 「…うっ。もういいよわかった」


 だって、その顔は反則でしょ!!


 きれいな顔で切なげにして目が潤むなんて。


 つくづくイケメンは得をすると思った。


 こういうときだけ白だなんて!!




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