甘い秘密と苦いウソ
「ここのカギを開けておくのって毎日?」
「ああ…行きたい時だけ連絡するよ」
わたしの質問に上を向いて少し考えて久我君は言った。
連絡か……
確かにそうしてもらえると助かるかも
でも、
「わたし、久我君の連絡先知らないよ」
「あっ、オレもだ」
拍子抜けするような久我君の反応にわたしは笑ってしまった。
久我君は同学年の中からすると大人びていてしっかりしているイメージがあったのだがこういう抜けているところがあるとわかって可愛く思ってしまった。
まあ、本人には言わないけどね。