甘い秘密と苦いウソ
「ちゃんと登録出来てないんですが」
「そんなはずはないよ」
「だって、カ行に久我って表示ないよ」
「あー、久我で登録してないからな。まあ、家に帰ってから探せば?」
ニヤニヤと不敵な笑みを久我君は浮かべた。
嫌な予感しかないから言うとおりに家に帰ってから探すとするか。
それにしても、いたいどれだけの人の連絡先があの小さな端末の中に入っているのだろうか。
「なに?知りたいの?」
「えっ!?なんのこと?」
「バレバレ。心の中でいっていると思ってんだろうけどバリバリ口に出してたよ」
うわ。やってしまった。
たまにこういう時があるってお兄ちゃんにも言われてたから気を付けていたのに……