甘い秘密と苦いウソ
とにかくわたしには写真しか取り柄がない。
久我君のように機械系が得意ならば、写真もパソコンやスマホで加工して高めていくこともできるのに……
「わたしに対する嫌味ですか」
「ばれた?」
「ボッチにはそんなスキルいらないんです」
可愛くないわたし。
本心とは違うことが言葉になってわたしから出ていく。
これはわたしのほんの少しの強がり。
「なーんだ。せっかくなら、教えてあげようと思ったのにな~。そっかそっか。ボッチの鈴原サンには余生なおせっかいだから聞かなことにして」
不敵な笑みを浮かべながら久我君は言った。
普段はわらはない久我君だが、実はよく笑う人なのでは?
それともいつもわたしはからかわれているだけ?
さあ、どうする?
と、目で訴えてくる久我君にわたしは完敗だった。
「…教えてください」