甘い秘密と苦いウソ
夕食をとったあと、恒例化したわたしの写真をブログにアップする。
「今日はどんな写真を撮ったの?」
っ……
わたしはすぐに返事ができなかった。
いや、しようと思えばすることはできた。だが、あの写真をわたしの中で理人さんに後ろめたい気持ちもあった。
写真を見ればきっとすぐにあの場所だとわかるだろう。
しかし、そこに写るのは自然ではなく……
人物なのだ。
わたしがこれまで撮ってきたものはすべて身近にある自然だった。
だから今回は、わたしにとっての初めての写真……
だから、理人さんにはこう伝えるんだ。
「わたしが初めて撮るもの……」
「んー、琴音ちゃんが初めて撮るものか!なんだろう?楽しみだな」
理人さんはそれ以上何も聞かず、わたしが撮った写真を待っているようだ。