甘い秘密と苦いウソ


 久我君が教室を出るのよりも早く、わたしは屋上の温室を目指した。


 わたしの少しした後で久我君がやってきた。


 予想よりも早い到着に驚いた。


 温室に入るなり久我君が口火を切った。



「ねえ、なんで写真をアップしたの?」


「……わからない。


 ただ、きれいだと思ったから」



 なんでとかはない。ただ、ただ、



 これだと思ったから。



 久我君は怒っているようには見えない。



 でも、笑ってもいない。



 無表情……



 それが一番困るよ。





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