愛と幸
「よかった。」

先輩は、笑ってそう言って、今度は恋人繋ぎにした。

「この方が、恋人っぽいでしょ?」

わ、わぁぁぁ

やばい、これ。

て、手汗が…。

私達は、金曜日の帰り道みたいに、特になにを話すわけでもなく、無言で道のりを歩いた。

そして、家に着いてしまった。

今日1日あっという間だったな…。

「じゃ、送ってくれてありがとうございました。」

「うん。あのさ、これ、受け取ってくれない?」

??

私は、小さい箱を受け取った。

なんだろう?

「開けてもいいですか?」

「うん…。」

箱を開けると、中にはハートのチャームがついた、ピンクゴールドのネックレスだった。

「え…っ、これって…。」

「プレゼント…。付き合うことになったわけだし、なんかあげたいなって思って…。気に入らなかったらごめん。」

そんなわけないじゃない。

絶対大切にする。

「ありがとうございます!絶対絶対、大切にします!」

「ん。」

先輩は照れたようにそれだけ言った。

「じゃ、また明日。」

「はい、今日はほんとにありがとうございました。」

私は、先輩の背中が見えなくなるまで見送った。
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