愛と幸
「私が、幸哉先輩のことが、好き…。」

「悔しいな。でも、僕は諦めないよ。じゃ、またね。」

イケメンさんは手を振って帰っていった。

イケメンさんのおかげで気づいたこの気持ち。

伝えよう。

幸哉先輩に。

仕返しのために付き合ったことも。

全部。

私は走った。

2年5組の教室まで。

ガララッ

「福澤幸哉先輩、いますかっ!?」

私は、教室のドアを開けて、そう言った。

「福澤くんなら、少し前に教室を出て言ったけど…ってあれ!?星崎夢愛ちゃん!?」

「え?はい…。そうですけど。」

私がそう答えた瞬間。

まだ帰らずに教室に残っていた先輩方がザワザワし始めた。

な、なんなんだ。

「キャーーッかわいいー!噂通りの美少女だね!いや、それ以上!?」

い、いきなりそんなこと言われたら照れる。

「あっ、ごめんね騒いで。福澤くんなら、夢愛ちゃんの教室まで行ったんじゃないかな?帰りのホームルーム終わったらすーぐ教室出て行っちゃうのよ〜。」
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