愛と幸
私はその場に泣き崩れた。

なんで、どうして…。

私が、仕返しのために幸哉先輩と付き合ったから、罰が下ったのかな…。

こんなことになるなら、付き合わなければよかった。

あぁ、もう終わっちゃったのか。

ポツポツと雨が降り始めた。

その雨はどんどん激しくなる。

まるで、私の心みたい。

でも、

「こんな漫画みたいなシチュエーションいらないし。」

ここにいたら風邪引く。

帰ろう。

私は、立ち上がった。

「夢愛ちゃん?どうしたの!?」

あ…。イケメンさん。

イケメンさんが私に自分の傘をさしてくれる。

イケメンさん、びしょ濡れじゃん。

優しいなぁ…。

「私、振られちゃいました。はは…。罰が当たったんですよ。きっと…。」

「夢愛ちゃん…。」

イケメンさんが、心配そうにしてる。

「やっぱり、僕じゃダメかな?僕は君のそばを離れたりしないよ?まだ好きじゃなくてもいいから、試しに付き合ってみない?」

この人と付き合ったら絶対幸せになれる。

「少し、考えさせてください。」

「うん。わかった。いつまででも待ってるから。今日は、家まで送ってくよ。」

「すいません。ありがとうございます。」

家までの帰り道を歩く。

あぁ、そういえば、帰り道を初めて歩いた男の人は、幸哉先輩だったなぁって思い出して、また泣いて。

イケメンさんは、何も言わず、ただ私の隣を傘をさして歩いてくれてる。

幸哉先輩も、帰り道無言だったなぁ、でもなぜかそれが嫌じゃなかったなぁって思い出して、また泣いた。
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