愛と幸
きっと、峯岸先輩と付き合ったら毎日が幸せで、絶対大切にしてくれる。

こんなに私のことを好きになってくれる人、この先現れることはないだろう。

でも、私は幸哉先輩じゃないとダメなんだ。

「頭、上げてよ。」

私は首を横に振る。

「僕も、話したいから頭上げて?」

私はしぶしぶ頭を上げた。

「ほんとはね、振られるって分かってたんだ。君が、僕といるとき福澤のこと考えてるのも。でも僕は、君と一緒にいれるだけで良かったから。だから、ありがとう。もちろん、できるのであれば付き合いたかったけど、真剣に僕のこと考えてくれただけで十分。」

福澤先輩は、スッキリしたように笑ってそう言ってくれた。

「福澤先輩は、とっても良い人です。私なんかより良い人が、この先たくさん現れると思います。こんな私のことを好きになってくれて、本当にありがとうございました!」

「うん。夢愛ちゃんより好きになれる人が現れたら、真っ先に伝えるね。僕、もう少しここにいたいから先帰っていいよ。」

「はい。」

峯岸先輩の想いは、永遠に忘れることはないだろう。

峯岸先輩、すごく頑張ってくれてたな…。

…私も、頑張ろう。

もし、残念な結果になっちゃってもいい。

でも、後悔だけはしたくないから。

精一杯、やれることはやるんだ。
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